/ホームページでもちょっと触れているのですが、現代っ子は読書量が少ないことから、この「書き言葉の想像世界」が極端に貧しいという外はありません。もっと言えば、書き言葉の語彙(その人が持っている言葉の総量)が話し言葉の語彙とほとんど同じと言っても過言ではありません。

本来、書き言葉の語彙は話し言葉の語彙の何倍もあるのが普通です。これは、子どもの語彙でも大人の語彙でも同じです。

例えば、親が子どもに話して聞かせるとき、親は豊富な書き言葉の語彙の中から、子どもにも分かる話し言葉を選んで使っています。また、何かの専門家が素人に説明するときも、専門用語を分かりやすい話し言葉に置き換えて説明するのと同じ理屈です。

国語が苦手な小学生はほぼ例外なく、話し言葉と書き言葉の語彙が同じか、ほとんど大差ありません。

そんなに影響があるものかと思われるかもしれませんが、事は想像世界の土台に関係していますから、影響は甚大です。

想像世界の土台という事は、入り口とも言えるのですが、ここは自由で深く奥行があるとともに、非常に感じやすいところです。知らなかった書き言葉は、ここで前後の知っている言葉から意味を調べられ、使い方を吟味されるので、とても印象が強く記憶にも残りやすいのです。たとえ、間違って理解されても、別の本で「ああ、この言葉はそういう意味だったのか」という形で訂正されていきます。

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(つづく)

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