/このように書き言葉の語彙は読書によって豊かになっていくのですが、では、どのような「本」が語彙を増やすのに効果的でしょうか。

国語を苦手とする小学生は、なぜか説明文(論説文)を読みたがる傾向があります。これは、おそらく中学入試に出てくる国語の問題文がほとんど説明文だということから来ていると思いますが、私の経験では、説明文で語彙を増やそうとするのは、効率が良いとは言えません。

その原因の一つは、説明文が現実世界の物事を観察して理屈の面から説明し結論に到達するという手順で書かれるということです。これは客観的なことが重視されるということに他なりません。

書き言葉の語彙が、想像世界の入り口で調べられ吟味されることで印象深くなるという事実を思い出して下さい。

説明文に出てくる「知らない言葉」は、前後関係から調べられ吟味される余地が小さく、意味そのものの正しい理解が要求されます。言い換えると、説明文と言う理屈の文脈の中で使われる言葉は、現実世界に根差しているのであって、けっして想像世界に羽ばたくような使い方はされていないと言えます。

極論すれば、同じ言葉であっても、説明文に出てくる場合と物語文に出てくる場合では、印象の強さ深さが違うので、言うまでもなく、語彙を増やそうとすれば物語文で増やす方が明らかに効率的です。

話しは横道に逸れますが、受験まで1年しか残っていない場合は、説明文を徹底的に強化するための教材を選びます。しかし、もし2年の時間があるなら、最初の1年は物語で想像世界を豊かにすることで語彙を増やして行く方が効率的だと思っています

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つづく

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