ここで言う「特訓」というのは、物語文を十分に読む時間に恵まれなかった小学生を対象に、私が行っている大門塾での授業のことを指しています。
現代の受験塾で一番問題なのは、早い子だと小4から小6まで毎週のように合判模試を受けているのに、何ら国語力の向上につながっていない事です。おかしいとは思いませんか?
足掛け三年間で大小さまざまな模擬試験を100回以上も受けているのに、なぜか国語力だけはほとんど強化されることが無いという現実があるのです。受験も間近になって親が慌てる理由も、まさにここにあると言わねばなりません。
現状、こうなってしまっている原因については、このブログでも過去詳しく扱って来ていますので、ここでは、大門塾の特訓の流れについて解説していきましょう。
大門:「先週の合判模試の国語、どうだった?」
A君:「よく分からなかったけど、前回より少し良かったような気がする」
というようなやり取りから始まります。
第1ステップ
A君に国語の模試問題を音読してもらいながら、「意味の分からない言葉」をチェックします。意味が分からないところでは、つまずいて上手く読めないのですぐに分かります。
第2ステップ
段落ごとに、上記でチェックした言葉の意味を私が教えます。
第3ステップ
もう一度、問題文の最初に戻って、A君に段落ごとの「中心文」を探してもらいます。
第4ステップ
段落ごとに分かった「中心文」を全部つなげて、この文章は「要約」すると「要するに何を言っているのか」をA君に考えてもらい、それにいちばん近い文章つまり「結論文」を特定してもらいます。
第5ステップ
A君に模試問題を最初からやり直してもらい、模試の時、自分で書いた答と比較してもらいます。
第6ステップ
仕上げとして、第1ステップでやった「意味の分からない言葉」を使って、A君に「短文」を作ってもらい、それを書いてもらいます。
この作業を合判模試の度に繰り返して行けば、たった一年間でもかなりの実力を養うことが出来ます。また、合判模試が無かった週には、私の方でお子さんの実力に見合った説明(論説)文を選んでやってもらう事になりますので、小5の2月から小6の1月末までの約50週でそれなりの蓄積も期待できます。
私の実感から更に言えば、模試の平均点に達しなかったお子さんでも、この「特訓」によって、平均点の1.5倍以上の得点力を身に付ける事が出来ます。これは弱点を克服したと言える水準ですし、もともと平均点前後が取れていたお子さんですと、強みとして抜きん出る得点力と言える成果になります。

次回は、この「特訓」の間、ご家庭でどのような勉強が必要になるのかをご説明します。
つづく